
1. はじめに
こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。
今日は、皆さんにとても興味深いお話をしたいと思います。
実は2019年に、神戸大学(経済産業研究所)と同志社大学の先生方が発表された研究論文を読んで、私自身がとても考えさせられました。
テーマは「幸福感」についてなんですが、これが本当に目からウロコの内容でした。
説明会などでもお話しさせていただくことがあるのですが、やはりブログでも皆さんにシェアしたいと思います。
特に、お子さんの将来を考える保護者の方々には、ぜひ知っていただきたい内容なのです。
2. 幸福感を決める5つの要素とは?
さて、この研究では「自分自身が幸福である」と感じるために必要な要素を調査したのです。
対象となったのは次の5つの要素でした。
・世帯収入
・学歴
・健康
・自己決定
・人間関係
ここで言う「自己決定」というのは、「自分の人生を自分で決めてきた感」のことです。
つまり、自分の人生を自分で選択してきたという実感のことなんですね。
皆さんは、この5つのうちどれが一番幸福感に影響すると思いますか?
ちょっと予想してみてください。
お金?それとも学歴でしょうか?
3. 驚きの研究結果
結果発表です!
1位 健康
2位 人間関係
3位 自己決定
4位 世帯所得
5位 学歴(統計的に有意ではない)
いかがでしょうか?
意外だったという方も多いんじゃないでしょうか。
特に驚くべきは、学歴が最下位だったということです。
しかも統計的に有意ではないということは、幸福感にほとんど影響しないということなのです。
一方で、3位に入った「自己決定」。
これが本当に重要なポイントなんです。
世帯収入も確かに幸福感に必要なんですが、それ以上に「自分の人生を自分で決めてきたかどうか」の方が幸福感を左右するんですね。

4. 自己決定の重要性を実感してみると
私も40歳を超えた今だからこそ、この結果の意味がよく分かります。
例えば、もし今の私が「自分の人生は実は親がデザインしてくれたもの」だと思い込んでいたとしたら、どんなに裕福でも確かにつまらないと感じるでしょうね。
「親の呪縛から逃れられない」なんて思い悩んでしまうかもしれません。
逆に言えば、たとえお金がそれほどなくても、「これは自分で選んだ道だ」と思えることで、人は幸せを感じやすくなるということなんです。
5. 進路選択で大切にしたいこと
では、この研究結果から私たちが学べることは何でしょうか?
私たちは学習塾として、生徒たちの合格を目指していますが、同時に生徒が幸せを感じる人生であってほしいと心から願っています。
その意味で言えば、志望校は責任をもって自分の意思で決めるということが本当に大切なんですね。
もちろん、親御さんにもご希望があると思います。
でも、お子さんの幸せを願うならば、最終的にはお子さん自身が決めなければならないんです。
親御さんは、最終的に生徒が決めたことならば、腹をくくってそれを認めてあげてほしいのです。
一方で、子どもたちも自分の選択に責任を持たなくてはなりません。
この決断が本当に正しかったかどうかなんて分からないけれど、そうだと信じて、自分の進路を自分で決めなくてはいけないんです。
これは子どもたちにとっても親御さんにとっても、とても怖いことだと思います。
でも、それをしないと生徒たちの本当の幸せには繋がらないんですね。
そして、そうした進路選択にきちんと向き合い、乗り越えたのなら、子どもたち自身が将来幸せを感じやすくなるという研究結果があるのです。
皆さんは、この話を聞いてどう思われますか?私は本当に考えさせられました。

【この記事を書いた人】
宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)
・20年以上の教育現場経験
・700組以上の親子面談実績
・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績
・進学空間Move塾長として地域教育に貢献
・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標
広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。
Happy Education Lab. 運営者
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