勉強が苦手だった生徒が目を輝かせて語る未来〜適性を見極めた進路選択の力〜

1. 小学生時代から続いた苦手意識

こんにちは。宮脇です。

 

今日は、小学生時代から7年間指導してきた一人の生徒の成長についてお話ししたいと思います。

 

その生徒をHくんとしましょう。

彼は決して勉強が得意なタイプではありませんでした。

特に暗記中心の学習には苦戦し、漢字や社会の年号を覚えるのは本当に大変そうでした。

テストの点数だけを見ると、決して優秀とは言えない状況が続いていました。

でも、彼には特別な力がありました。興味を持ったことには驚くほど集中できる子だったのです。

理科の実験や、物事の仕組みを理解するような学習には強い関心を示し、納得するまで質問を続ける粘り強さがありました。

2. 努力の結果と特殊な進路選択

中学時代も得意不得意がはっきりしていて、成績に波がありましたが、彼は諦めませんでした。

地道な努力が実を結び、中学時代には偏差値50を超えるところまで成長しました。

 

そんな彼が中学2年の夏休み後に、「商船高専に行きたい」と言い出した時、私は特に驚きはしませんでした。

 

むしろ「ああ、彼らしい選択だな」と思ったのです。

知り合いの先輩から話を聞き、オープンスクールに参加して、自分なりに納得して決めた進路でした。

彼の性格、興味の方向性、そして何より目を輝かせて話す様子を見ていると、普通の大学進学よりもこちらの方が絶対に伸びると確信できました。

3. 驚くべき変化と成長

先日、4ヶ月ぶりに会ったHくんの変化に、私は心底驚きました。

まず身体的な変化が顕著で、ボート部での厳しい練習で明らかに逞しくなっていました。

でも何より変わったのは、表情と話し方です。

 

自分の学校生活について語る時の自信、将来への確信、そして何より楽しそうな様子。

 

寮生活、実習内容、部活動、そして将来の目標。すべてを前向きに、具体的に話してくれました。

GPS に頼らない船位測定技術、星座を使った航海術、外航船での高収入の可能性まで、目を輝かせて説明する姿は、小学生時代の彼からは想像できないほどでした。

4. すべての子どもに輝く場所がある

この事例から皆さんにお伝えしたいことは、「勉強ができる・できない」だけで子どもの将来を判断してはいけないということです。

Hくんは決して勉強が得意ではありませんでしたが、今は誰よりも生き生きと学んでいます。

大切なのは、その子の特性を理解し、最適な環境を見つけることです。

「普通の進路」にこだわる必要はありません。

世の中には様々な道があり、その子に合った道を選ぶことが最も重要なのです。

勉強が苦手でも、人より時間がかかっても、諦めずに努力を続ければ、必ずその子らしい花を咲かせることができます。

 

Hくんの物語が、同じような悩みを抱える方々の希望になれば幸いです。

どんな子どもにも必ず可能性があります。大切なのは、その可能性を信じ続けることです。

【この記事を書いた人】

宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)

 

・20年以上の教育現場経験

・700組以上の親子面談実績  

・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績

・進学空間Move塾長として地域教育に貢献

・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標

 

広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。

 

Happy Education Lab. 運営者