AI時代に子どもたちが身につけるべき"本当の力"とは?~NotebookLMの驚きから見えた教育の本質~

AIが作り出した驚きの音声コンテンツ

こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。

 

前回の記事でご紹介したNotebookLMという最新のAIツール、皆さんはもうお試しいただけたでしょうか。

まだという方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度体験してみてください。

 

このツールの素晴らしいところは、私がブログに書いた記事のURLを貼ってボタンを押すだけで、約15分のラジオ番組のような音声コンテンツを作ってくれることなんです。

しかも無料で1日1回程度は利用できるということですから、本当に驚きですよね。

 

それで、昨日のことですがこのNotebookLMについて地域のコミュニティでご紹介させていただく機会がありました。

 

その時に私が特に強調したすごさは、AIが私のブログには書いていないような内容まで深掘りして補足してくれていたことです。

それも的外れな内容ではなく、私が本当に言いたかったことを的確に汲み取って表現してくれている。

この精度の高さには本当に驚かされました。

保護者の方の反応から見えた危険な兆候

ところが、この話をした後のある保護者の方の反応が、私にとって大きな気づきとなったのです。

「最近のAIはすごいですよね」とおっしゃった後、「私もズレてないかAIにチェックしてもらおうかしら」という言葉が出てきたんですね。

 

もちろん、その方は冗談でおっしゃったのでしょう。

でも、この感覚は少し危険だなと思いました。

特に子どもたちがこういう考え方を持つようになってしまうと、それは教育的に逆効果になってしまうのではないでしょうか。

 

確かに最近のAIは知識面での精度が格段に向上していて、正解のあることについては本当のことを教えてくれるようになりました。

しかし、正解のないことに対しても、まるで正解があるかのように答えてくれるんです。

それらしいことを上手に言ってくれるし、様々な情報を総合的に判断しているように見えますが、あくまでも0と1のデジタル情報を組み合わせたコンピューター上での処理結果に過ぎないのです。

年齢に応じたAIとの向き合い方

特に10歳から12歳くらいまでの、脳がまさに育っている時期については、こうしたデジタル情報ばかりに触れさせない方がいいのではないかと直感的に感じています。

この時期は人間としての基礎的な感性や思考力が形成される大切な時期ですからね。

 

一方で、中学生や高校生になってくると、AIを上手に活用できる子どもたちも出てくるでしょう。

その段階では、AIとの適切な付き合い方をいかに学ばせるかということが重要になってきます。

つまり、AIをツールとして使いこなしながらも、自分自身の判断軸や価値観をしっかりと持ち続けること。

これが本当に大事になってくるのだと思います。

AIに取って代わられない人材になるために

もし自分の考えがAIと合っているから正しいのだ、という感覚を持ってしまったら、その人はAIに取って代わられる人材になってしまいます。

この点については、子どもたちにきちんと伝えていかなければならないと強く感じています。

 

これからの時代、デジタルネイティブやAIネイティブ、つまり生まれた時からAIが存在する世代が育っていくことになります。

その時に、AIと同じような考え方をする、AIの答えを正解だと思い込む思考パターンを身につけてしまったら、どうなるでしょうか。

その子は一生懸命勉強してきたにもかかわらず、結局AIと同じ価値しか提供できず、AIに取って代わられてしまうことになるのです。

 

だからこそ、小学校の時期に、いかにアナログな体験をたくさん積み重ねるかということが本当に大切になってくると思うのです。

自分自身の根幹となる実体験を通じて、独自の感性や価値観を育んでいくこと。

AIはあくまでもツール、道具でしかないという感覚を、子どもたちにしっかりと身につけてもらいたいですね。

外遊びこそが未来への投資

そう考えると、これまで以上に子どもたちを外で遊ばせることが大切になってくるのではないでしょうか。

勉強については、きっとこれから先はAIが効率よく教えてくれるようになるでしょう。

それよりも、外で思いっきり遊んで、子どもたち一人ひとりが自分だけの世界観を築いていけるような、そういう教育こそが本当に必要になってくるのだと思います。

外遊びの中で、子どもたちが大人の管理を離れ、独自性を発揮し、人間関係の経験を積み上げること。

これが本当に大切です。

 

AIが進歩すればするほど、人間らしさ、その子らしさが価値を持つ時代になっていくはずです。

何かの参考にしていただけたらと思います。

【この記事を書いた人】

宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)

 

・20年以上の教育現場経験

・700組以上の親子面談実績  

・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績

・進学空間Move塾長として地域教育に貢献

・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標

 

広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。

 

Happy Education Lab. 運営者