
生徒たちの本音が聞けるスピーチ大会
こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。
今日は塾で長時間の勉強特訓があったんですが、その中でスピーチ大会を開催しました。
何人かの生徒に自分の思っていることを話してもらう、そんな時間を設けているんですね。
その中で、ある中学生の子が自分の人見知りやコミュニケーション能力の低さを嘆くスピーチをしてくれました。
ところが、よくよく聞いてみると、決してコミュニケーション能力が低いような内容じゃないんです。
むしろ高いんじゃないかなというエピソードが次々と出てくるわけです。
自分の成果を認められない心理
この話を聞いて最初に私が感想として返したのは
「君は自分が成し遂げたことを過小評価して、できていないと思うことばかりを大きく見てしまうんだね。まず自分が成し遂げていることを認めてあげることがすごく大事なんだよ」
という話でした。
なぜなら、その子はクラスのビブリオバトルで優勝したというんです。
自分が読んだお勧めの本を人にスピーチするクラスの大会で優勝したということなんですよね。
これって、まさにコミュニケーション能力の高さを証明しているじゃないですか。
ところが、彼がすごいなと思ったのは、そこからさらに私に反論してきたことなんです。
「確かにそうやって自分をきちんと見なくてはいけないかもしれません。でも、やはり人見知りが強くて、話しかけるときに怖さを感じるんです。話しかけたいと思っても怖くて声をかけることができない。だから僕は人見知りなんです」そう主張してきました。
こんな論理的で堂々とした反論ができる中学生のどこがコミュニケーション能力が低いんでしょうね。
本当にそう思ってしまいます。
怖さを感じる本当の意味
そこで私は、この「怖さ」というものについて子どもたちに伝えました。
私がいつも生徒たちに話すのは「その怖さを感じることがすごく大事」ということなんです。
なぜ怖いのかというと、自分が今までやったことがないからなんですよね。
自分がその行動を取ると、今まで経験したことのない結果が生まれるかもしれない。
どうなるかわからない、それが怖さの原因なんです。
例えば、ワクワクするということもありますよね。
今までやったことがないのに、でもワクワクする。
ワクワクするのは、自分がうまく成功するだろうという未来が見えるからなんです。
一方で、どうなるかわからないということに関しては、怖さを感じて当たり前なんです。
一歩踏み出す勇気が新しい世界を開く
ここからがすごく大事なんですが、その怖い方に飛び込んでいかないと人生って大きく動かないんですよね。
今まで自分が培ってきた能力でできることは、いい結果が予想できるのでワクワクします。
しかし、自分がそれをやったらその先はどうなるかわからないから怖さを感じる。
そういう未知の世界に飛び込むことこそが、本当に新しい世界を見つけるということなんじゃないかなと思うのです。
ただし、怖さではなく「嫌だな」と思うのであれば、やめたらいいと思います。
嫌なものはやらなければいい。
でも、怖いと思うものは「やってみたいけどどうなるか分からない」から怖いので、やってみたほうがいいです。
そこで必要なのは勇気だけです。
怖いと思う気持ちをぐっと堪えて、まずは一歩だけ踏み出してみる。
この子の場合、思い切って一歩だけ声をかけてみる。
そういったことから始めてみるんです。
ここは本人が乗り越えなくてはいけないところだと思います。
焦る必要はありませんが、思い切って一歩踏み出すという練習をした方がいいのかなと思います。
そして大切なのは、たとえうまくいかなかったとしても、それでも一歩踏み出したことが素晴らしいということです。
結果よりも、勇気を出して挑戦したそのプロセスこそが成長なんですからね。
今日の中学3年生のスピーチは、本当に学びの多い時間でした。
生徒たちの率直な気持ちに触れることができて、私自身も改めて多くのことを考えさせられました。
ありがとうございました。

【この記事を書いた人】
宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)
・20年以上の教育現場経験
・700組以上の親子面談実績
・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績
・進学空間Move塾長として地域教育に貢献
・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標
広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。
Happy Education Lab. 運営者
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