
定期テスト期間に見える親子の愛情と現実
こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。
現在、私が経営している塾では定期テスト真っ最中でして、この時期になるといろいろな人間模様が見えてくるものです。
その中で特に感じるのが、お母さんたちの愛情の深さです。
本当に深いものがあるのだと、改めて実感することがありました。
基本的に、塾にお子さんを預けてくださるお母さんたちは、そのお子さんに良い成績を取って、学業的に有利な位置にいてほしいという思いがあるからだと理解しています。
その気持ちは本当によくわかります。
心配してしまいますよね。
子どもたちの能力差という現実と向き合う
ところが、お子さんによっては、その期待に応えられるだけの能力がまだ備わっていない場合もあります。
成長段階としてそこに至っていないお子さんもいるのです。
発達の特性もあるでしょうし、様々な条件があったりして、どんなに勉強を頑張ってもらいたいと思っても、今の状況ではなかなか難しいというお子さんは現実にいると思います。
そして、そういう子に対してどう接するかという問題が、やはり難しい課題として出てきます。
もちろん現実を考えれば、中学生くらいであれば内申点もあるし、学力差というものもどんどん開いていくので、この日本社会において不利な状況に置かれていってしまうという心配が働くのも無理はありません。
そう思ってしまうのも当然です。
とは言え、何をどう言っても難しいものは難しいのです。
これが現実です。
それは本人にとってもどうすることもできないことだったりします。
私は、この現実をまず受け入れることが大切だと考えています。
発達段階に応じた集中力の育て方
例えば、集中力が長続きしないという問題ひとつにとっても、本人のやる気にすべての原因を求めてしまうと、おそらく本質を誤ります。
集中力が長続きしないくらいの精神の発達段階だということなのです。
そう考えると、その子にとって大切なのは、できる限り集中してもらって、できなくなったらできなくなったことを認めてあげる。
それしかないのです。
そうやってできる範囲での訓練を繰り返しながら、徐々に集中できる時間を増やしていってあげるということが大切なのです。
その一方で、それ以上のことを望んでしまうと、逆にせっかく本人ができる範囲で机の前に座ったのに、そのやる気を結局削いでしまいます。
できる範囲でやったのに、さらにできない範囲のところまで要求されてしまったら、もう次からはなかなか机の前に座ろうとはしないでしょう。
私は、このような場面では子どもの現在の能力を正確に把握し、その範囲内での成長を促すことが何より重要だと思います。
本人の意思に委ねる教育の重要性
その際に、大事なのは本人の意思にどれくらい委ねるかということだと思います。
これまでいろいろな子を見てきた中で、驚くべきことに、学力が最初低かったとしても、本人がやる気にさえなれば劇的に伸びていくということがあります。
例えば、中一や中二の頃には成績が本当にできない、できないと言われていた子が、中三になってうちの塾に来て、一気に100点アップという事例もあったりするのです。
これは本当に素晴らしいことでした。
大切なのは、そこまで待つということです。
本人の心を折ることなく、一般的な成長段階に追いついていなかったとしても、本人の心を折ることなく待てるかどうかということだと思います。
それで良いのです。
なにはともあれ、お母さんたち、親御さんがお子さんのことを心配する気持ちは本当によくわかるのですが、しっかりとお子さんの状態をよく見極めて、子どもたちに寄り添う教育というのが必要になってくるのだと感じる次第です。
私は、この「寄り添う教育」こそが、これからの時代に最も大切な教育のあり方だと考えています。
参考にしていただければ幸いです。

【この記事を書いた人】
宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)
・20年以上の教育現場経験
・700組以上の親子面談実績
・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績
・進学空間Move塾長として地域教育に貢献
・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標
広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。
Happy Education Lab. 運営者
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