子どもの行動をメッセージとして受け取る~心理学が教える観察の大切さ~

心理学で分かることと分からないこと

こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。

 

最近、心理学を本格的に体系立てて学び直しているのですが、そこで気づいた大切なことをお伝えしたいと思います。

心理学を学んだからといって、「今この人はこんな気持ちでいる」とか「この人はこう考えている」といったことがピンポイントで読めるわけではないのですね。

 

でも、そこから大切な教えがあるのです。

それは何かというと、心理学では気持ちというものは目に見えないため、「行動こそ心の手がかりだ」と考えるということなのです。

 

外から観察できる行動に注目することで、子どもたちの内面が見えてくる。これが心理学の大切な視点だと思います。

今回は特に、行動観察の大切さについてお話ししたいと思います。

行動の裏側にあるもの

例えば、子どもが机に向かってもすぐに離れてしまうという行動があったとしましょう。

これを見て「集中力がない」とか「やる気がない」と判断してしまいがちですが、実はそうではないのかもしれません。その子が抱えている不安や自信のなさの表れかもしれないのです。

 

ひょっとしたら、学校で友達にすごく嫌な言葉を投げかけられたのかもしれません。

もしくは友達と喧嘩をしたのかもしれない。あるいは大好きだった異性の子に傷つく行動をとられたのかもしれないですよね。

そんな気持ちの時に、勉強なんか正直それどころじゃないですよね。

普段は勉強ができていたのに、急に集中力がなくなったとするのであれば、その裏側には何かその子の心の問題があるんじゃないかという視点を持っているのは大事です。

 

もしその気持ちがそうであれば、「やる気がないんじゃないの!」と叱り飛ばしても逆効果です。

なぜ集中力が発揮できないのか、どんな不安や自信のなさを抱えているのか、彼らが今何を気に病んでいるのかを気にかけてあげることが大切なのです。

行動をメッセージとして受け取る

どうしてそう動くのかを丁寧に見ていると、子どもの内側の声が見えてきます。

心理学の教科書には「彼らの行動を問題として叱るより、メッセージとして受け取る視点が大事だ」と書かれているのです。

 

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。私は次の3つのステップをお勧めしています。

 

まず①行動を観察することです。

観察することは、子どもへの指導の一番の基本です。毎日見ていると、普段と違うことがわかってくることがあります。ほんの小さなことでも見逃さないのは、常に彼らを見守り、観察しているからです。

 

次に②その行動の背景にどんな可能性があるかを考えることです。

子どもたちの話を聞いていると、どんなにやんちゃな子であっても、決して根っから悪い子はまずいないと思っています。そうしなくてはいけない理由がそこにあるのです。その普段と違う行動を、そういう考え方から見てみてください。

 

そして③否定せずに尋ねることです。

悩んでいるのは子どもたちの方なのです。うまくできないこと、普段ではやってはいけないことをやってしまったことは、子どもたちが一番よくわかっています。そのしなくてはいけなかった理由があるのだと考えて、まず彼らを否定せずに受け入れる。そして聞いてあげるところから始めてください。「何かあった?」「最近気になることない?」といった声かけから始めてみるといいと思います。

 

こうした原則を、私自身も肝に銘じたいと思いますし、保護者の皆さんにもぜひお伝えしたいと思っています。

行動の観察というのは、心を尊重する第一歩なのだということを、ぜひ覚えておいていただけたら嬉しいです。

【この記事を書いた人】

宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)

 

・20年以上の教育現場経験

・700組以上の親子面談実績  

・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績

・進学空間Move塾長として地域教育に貢献

・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標

 

広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。

 

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