美容整形から考える、子供たちの自己肯定感とありのままの自分

こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。

 

1週間ほど前に北里大学で生命倫理を教えられている小林教授と対談させていただきました。

小林先生は医療系大学の中で医学の倫理を教えられるという、とても大切なところを担当されている女性の教授です。

 

今日はその対談の中で取り上げた「美容整形」というテーマについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 

詳しくは小林先生の「揺れる時代の生命倫理」という本を読んでいただきたいのですが、この話、子供たちの気持ちを考えるときに本当に深く考えさせられるのです。

美容整形は「心療外科」なのか?

美容整形と聞くと、「親からもらった体にメスを入れるとは何事だ」と眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれません。

そういう考えの方も一定数いらっしゃるでしょう。

 

ただ、小林先生は美容整形の一つの側面として「心療外科」という言い方をされています。

 

心を癒す、心の療養をする外科手術という意味ですね。

 

特に女の子に多いのかもしれませんが、自分の容姿にコンプレックスを持っていたり、自分を卑下してしまう要因が容姿にあるのであれば、それを取り除いてあげる。

 

そして心を軽くして、自信を持って日々を過ごしてもらえるのであれば、それも一つの方策である、という考え方です。

 

ただ一方で、そのコンプレックスというのは、実は社会という一般的な概念から来ているものかもしれない、とも指摘されています。

 

例えば、わかりやすいのが「二重まぶたが可愛い」という考え方。

 

本当にそうなのでしょうか?

一重まぶたは可愛くないのか?

そんなことないですよね。

 

それなのに二重の方が良いと思い込んでしまうのは、他者の評価、他者からの押し付けを無意識に感じているからかもしれないのです。

外見はアイデンティティーそのもの

さらに話は進んでいきます。

 

そもそも外見というものは、実はアイデンティティーを含んでいるというのです。

 

例えば、日本人である以上、肌の色を極端に白くしたり黒くしたりするのは、そのアイデンティティーを崩す行為なのかもしれません。

 

祖先とのつながりという意味でも、考えさせられますよね。

 

そして親御さんとのつながり。

 

やはり親御さんと似た容姿の子が多いわけですから、その見た目を否定して整形をするというのは、親とのつながりを断つという意味でも問題があるのかもしれません。

 

親御さんからすると、自分と似ているところを美容整形によって否定された場合、それを悲しむことになるのかもしれない。

 

小林先生は、このように様々な観点から美容整形について論じられていました。

 

皆さんは、どうお考えになるでしょうか?

では、私たち大人は子供たちに何を伝えるべきなのか

ここで1つお伝えしたいのは、美容整形について「正しい」とか「正しくない」とか、そういう結論を出すことが目的ではないということです。

 

ですが、私としてはやはり、子供たちの自己肯定感のあり方というものを考えたいと思うのです。

 

中学生や高校生を相手にする学習塾を運営していると、彼ら・彼女らの恋愛相談を受けることもありますし、容姿に対して敏感であることも実感します。

 

コンプレックスを抱える子供たちに必要なのは、実は自己肯定感なのではないでしょうか。

 

自分自身の、ありのままの姿を受け入れることができるのであれば、それは自己受容というものにもつながり、自分の自信や人生の見方にもつながっていくと思います。

 

ただこれも、あくまでも主観的な話です。

 

どうしても変えたいということであれば、それを否定するものでもありません。

 

それでも私は、子供たちに伝えたい。

 

「そのままのあなたが、本当に素敵なんですよ」ということを。

 

私たち大人自身が、自分の容姿にどう向き合っているかを、子供たちは見ています。

 

まずは私たち自身が、ありのままの自分を受け入れる姿勢を示すことも大切かもしれません。

 

皆さんはどうお考えでしょうか?

 

この問題、このブログだけで結論を出すような問題ではないと思います。

 

ですが、答えが出ないからといって考えないのもまた違うのではないでしょうか。

 

子供たち、あるいは私たち自身もそうですね。

 

自分の容姿と自分自身のあり方を、どのように構築していくのか。

 

どれが個別にそれぞれにとっての最適解なのか。

 

皆さん一人一人が考えてほしいと思います。

【この記事を書いた人】

宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)

 

・20年以上の教育現場経験

・700組以上の親子面談実績  

・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績

・進学空間Move塾長として地域教育に貢献

・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標

 

広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。

 

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