
1. なぜ努力しても成果が見えないのか?
こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。
皆さんは「成長曲線」というものをご存知でしょうか?子どもの学習や成長について考える時、とても大切な概念なのです。実は、私たち親が思い描く子どもの成長と、現実の成長には大きなギャップがあることが多いのですね。
この成長曲線を見ていただくと分かるのですが、成果や実力というものは、努力と比例して上がるものではないのです。しばらくの間低空飛行を続けて、その後急上昇する。
これが実際の成長パターンなのです。
努力がすぐに実力に結びついて、比例直線を描く方が珍しいのですね。
だからこそ、多くの親御さんが「うちの子、頑張っているのになぜ成績が上がらないの?」と悩んでしまうのです。
どうでしょうか?きっと心当たりがある方も多いのではないでしょうか?

2. 本当の苦しみは「理想と現実のギャップ」にある
ところが、現実はもっと複雑です。
実際に苦しむのは、努力量と現実の実力のギャップではないのです。
本当に苦しいのは、「努力し始めるとすぐに実力が上がるはずだ」と思い込む理想の成長イメージと、現実の実力とのギャップなのです。
図の紫の線で表されている部分ですね。
この時期にいるお子さんは本当に苦しいと思います。
親御さんも同じように辛い思いをされるでしょう。
「塾を変えた方がいいのでは?」「勉強方法が間違っているのでは?」と迷われる方も多いのです。
実際に、私もこれまで多くの保護者の方から「頑張っているのに成果が見えなくて...」というご相談を受けてきました。
その気持ち、本当によく分かります。
でも、気になるのは、そこで諦めてしまうお子さんが多いということなのです。

3. ブレイクスルーポイントという奇跡
しかし、ここからが重要なのです。
苦しんでも苦しんでも、それでもなお努力を続けた先に、「ブレイクスルーポイント」と呼ばれる急成長を遂げる時期があります。
人によってはティッピングポイントとも呼ばれますね。
ある日、ふっと実力が開花するのです。
それも、ちょっとした成長ではありません。
偏差値が2や3上がるだけにとどまらず、偏差値にして10くらい一気に上昇することもあるのです。
私は学習塾を経営している中で、このブレイクスルーを果たす瞬間を何回も見ています。
偏差値55くらいでうろちょろしている子が、ある日突然偏差値60を超えるであるとか、英語が全然わからなかった子が突然英語が得意になるとかです。
中学の3年間で、2回ブレイクスルーを果たした子も複数知っています。
さらに素晴らしいのは、学力だけでなく、勉強に対する姿勢や物事への考え方、つまり人間的にも一回り大きくなった成長を遂げるということです。
これまで多くのお子さんを見てきましたが、このブレイクスルーポイントを通過した子どもたちの変化は本当に感動的なのです。
4. 最も大切なのは「諦めずに続ける」こと
ただし、このブレイクスルーポイントには厄介な特徴があります。それは、その急上昇する時期が誰にも分からないということです。
3か月なのかもしれないし、半年かもしれない。場合によっては1年かもしれません。
そして、本当に厄介なのが、その急上昇する時期が来る直前が最も苦しいということなのです。
頑張っても頑張っても成果が出ない、と感じるのです。でも、そこで諦めてしまうのは本当にもったいないことなのです。
やっていることが正しいと思うのであれば、成果が出るまで続けてみてください。
苦しい時期はもちろんあります。
一般にそれは「壁」と呼ばれます。でも、その壁はある時、ふっと乗り越えることができるものなのです。
本当にやってはいけないことは、その苦しさに負けて努力を止めてしまうことです。
そうなると、苦しさだけが残ってしまいますからね。
成長曲線が教えてくれるのは、そんなシンプルだけど大切なメッセージです。
お子さんが今、低空飛行の時期にいるとしても、それは決して無駄な時間ではないということを、知っておいていただけたらと思います。
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