
1. はじめに
こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。
お子さんの進路や学習方法を考える際に、「しっかり考えて決めなさい」と言われたり、逆に「直感を大切にしなさい」と言われたりした経験はありませんか?
論理的に考えることと、直感に従うこと。
どちらも大切だと分かっていても、実際にはどちらを重視すべきか悩むことも多いでしょう。
今日は直感に従うことの大切さということで、少しお話ししようかなと思います。
特に、お子さんのタイプによって、どちらのアプローチが効果的なのかを考えてみたいと思います。
2. コーチングの「なぜ」を5回繰り返す手法
例えば、いわゆるコーチングという技術で、「なぜ」という言葉を5回繰り返すという手法があります。
コーチがクライアントに「なぜですか」と問いかけ、その答えに対してさらに「なぜですか」を繰り返していく方法です。
非常に単純な方法なんですが、深く考えていこうというときには有効です。
ただ注意だけしておきますと、これを普段の生活に使うとかなり険悪な雰囲気になってしまいますので、コーチングセッションや面談などの特殊な場面で使うことをお勧めします。
いずれにせよ「なぜ」を5回繰り返すというのは、思考を促すための単純でかつ強力な手法の一つですよね。

3. 思考の深掘りが逆効果になる場合
その目的は思考を深めて、自分の行動や目標をはっきりさせるというところにあるのは間違いないんですが、時にこれが逆効果な子がいるんです。
それはどういう子かというと、自己否定が入る子ですよね。
例えば、分かりやすい子で言うと、口癖で「いやいや私なんか」というふうに言葉を使うことが多い子ですよね。
あるいは「今の私が言っても仕方がないんですけど」とか、そういうふうにやる前から自分の位置を下げるようなことをする子が当てはまります。
そういう子が考えれば考えるほど「こんなことを私が言っても仕方がない」とか「僕が言うべきことではなかった」みたいに、自己否定が入ってしまい、思考が止まってしまう。
そういう子はこの手法にあまり頼らないほうがいいのかなと思うことがあります。
そして、考えれば考えるときに自己否定が入るのであれば、そういう場合は本当に直感に従うということが本当に大事なんだろうなと思います。
理屈なんか知らない。ただただやりたいから、そっちが面白そうだから、それだからそっちに向かって行動するんだ。
これが一番単純な原理です。そして強いモチベーションとして働きます。
また、私がよく言うフィアベース・ラブベース(恐れに基づく動機と愛に基づく動機)の観点から考えてみても、ラブベースのモチベーションとして働くわけです。
自己否定が入ると、やっぱり行動が止まってしまったり鈍くなってしまうんですが、そこで深く考えるのではなくて、直感に従うということですよね。
4. 年齢別の対応とお子さんのタイプ見極め
さて、皆さんもこれをご覧になってくださっている保護者の皆様も、自分のお子さんがどちらのタイプなのかしっかりと見極めてください。
そして年齢によってもアプローチを変える必要があります。
小学生の場合、まだ自己否定はそれほど強くありませんから、「なぜ?」を聞いても素直に答えてくれることが多いです。
ただし、3回程度に留めておくのがコツですね。
あまり深く聞きすぎると「わからない」で終わってしまいます。
中学生になると、思春期の影響で自己否定が強くなる子が増えてきます。
「私なんか」「どうせ無理」という言葉が増えてきたら、直感重視に切り替えましょう。
進路選択でも「やりたいことをやってみよう」という声かけが効果的です。
高校生は個人差が大きくなります。論理的に考えられる子はとことん深掘りしても大丈夫。
でも、受験のプレッシャーで自己否定が強くなっている子には「君の感覚を信じてみよう」というサポートが必要です。
そして、どちらのアプローチを取るか迷ったときの原則をお伝えしておきます。
迷ったときは直感重視から始めてください。
なぜなら、考えすぎて動けなくなるリスクよりも、まず行動を起こしてもらうことの方が大切だからです。直感で動いてみて、うまくいかなければその時に一緒に考えればいいのです。
年齢に関係なく、お子さんの反応を見ながら調整していくことが何より大切ですね。
きっと、お子さんにとって最適なアプローチが見つかるはずですよ。

【この記事を書いた人】
宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)
・20年以上の教育現場経験
・700組以上の親子面談実績
・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績
・進学空間Move塾長として地域教育に貢献
・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標
広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。
Happy Education Lab. 運営者
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