【塾閉鎖の実例】勉強ができても社会で通用しない子の特徴|本当に必要な「生きる力」3つ

1. はじめに

こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。

 

今日は塾の進学空間Moveのブログにも書かせていただいた内容なのですが、このHappy Education Lab.にも本当に関わってくる重要な話なので、お伝えしたいと思います。

2. 突然の塾閉鎖との出会い

先日、私が経営している学習塾から少し離れたところにある塾が閉鎖するという連絡をいただきました。

 

全然面識のない塾さんだったのですが、「備品が余っているので、必要であれば引き取ってください」ということで、いくつか備品をいただきに行って参りました。

 

実は、その塾の存在を知ったのも今回が初めてで、「こんなところに塾ができていたんですね」という状態だったのです。

 

というのも、その塾さんは今年の1月に開校して、わずか6か月の今年6月で閉鎖するという、本当に短命に終わってしまったのです。

 

塾の閉鎖ということに関しては、私も他人事ではありませんし、その塾長先生の思いや悔しい気持ちを考えると、本当にたまらない思いです。

 

ただ、教育業界の人間として、今回の事例から学べることがあるのではないかと思うのです。

3. 見えてきた準備不足の実態

そもそも色々とお話を伺ってみると、残念なことに準備不足が見え隠れするお話でした。

 

まず、6か月で塾を閉鎖しなくてはいけないような計画で塾を立ち上げていることが問題でした。

 

さらに、塾に伺ってみると立ち上げたばかりの塾さんにしては備品が立派すぎるのです。

 

スタートからこんなに経費をかけてはなかなか難しいだろうという印象が強かったです。

 

そして何より、その塾がどういう特徴を持っている塾なのか、なかなか見えずらいというのも気になりました。

 

どんなに素敵あ思いがあっても、なかなか伝わりにくいだろうという印象です。(もちろんこの点は私も苦労していて難しいのは百も承知なのですが)

4. 最大の問題は「誰からも学んでいない」こと

しかし、何よりも本当に一番の問題だったなと思うのは、「誰からも教えてもらっていない」ということでした。

 

大手塾から独立されて自分の塾を開いたと伺っているのですが、大手の企業から同じ分野で独立するときには、当然いろんなことが違って、気をつけなくてはいけないことがたくさんあります。

 

そうしたことを、どうも誰にも相談していないし、話を聞いているような感じではなかったということです。

 

もし私のほうに相談があれば(もちろん面識がないので難しいとは思うのですが)、いくらでもお伝えすることはあったし、何だったら塾選びのイベントのメンバーとして参加してもらうこともできたのにな、と思います。

 

そうしたご連絡も一切いただかなかったということが、本当に残念でなりません。

5. 子どもたちに必要な「生きる力」とは

この出来事は、子どもたちにとっても大切な問題だなと思います。

 

要するに、今回の塾の先生は、塾の先生である以上勉強はできたと思うのですが、実際に自分で事業を動かすことや仕事をしていくにあたって、気をつけなくてはいけないことを何も知らなかったと言わざるを得ない状況だったわけです。

 

勉強ができることは大切だと思ってはいるのですが、それを実際に生きる力に変えるということが本当に大事です。

 

その生きる力とは何かといったときに、例えば人に相談すること、きちんと計算することが含まれます。

 

今回のことも、本当に損益分岐点がいくらになって、生徒が何人集まればやっていけるのか、そのために経費がどうであるかなど、そうしたことは中学校の算数で考えても全然普通に考えられる範囲です。

 

そういう具体的な試算のようなことも必要ですし、周りの人にそもそも相談するというコミュニケーション力も必要です。

 

それが大切なんだよと伝える大人や先輩がいるかいないかということも大切だと思うのです。

6. 保護者の皆さんへのメッセージ

このHappy Education Lab.では「地頭力」という名前で、生きる力を育みたいという思いで情報発信をしていくと決めているわけですが、本当に今回の事例では、その生きる力を育むことの大切さを改めて目の当たりにしたような思いです。

 

これをご覧になった保護者の方にも、ぜひお子さんに、企業を立ち上げるかどうかは正直どうでもいいのですが、どうやって社会で生きていくのか、そして周りの人とつながっていくことの大切さ、考えることの大切さ、行動することの大切さを、どこかで教えてあげてほしいと思います。

 

保護者の方も、そんな姿を背中で子どもたちに見せてあげてほしいというふうに思います。

 

本当に子どもたちがどう生きていくかということは、子どもたちの幸せに直結することです。

 

起業を決意したのであれば、それが少なくとも数年は続いて、半年で潰れるようなことにならない力を伝えていきたいと感じます。

 

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【参考記事】

「生きる力の基盤となる自己理解については、こちらの記事で詳しく解説しています」

「成長には時間がかかることについて、こちらの記事もご参考に」

「地頭力モデルの先にある理念については、こちらの記事をご覧ください」


【この記事を書いた人】

宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)

 

・20年以上の教育現場経験

・700組以上の親子面談実績  

・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績

・進学空間Move塾長として地域教育に貢献

・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標

 

広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。

 

Happy Education Lab. 運営者