「やる気のない子」なんていない!現代の子どもを無気力にしている意外な原因と解決法

1. 多くの保護者が抱える共通の悩み

こんにちは。Happy Education Lab.の宮脇です。

 

中学生のお子さんをお持ちの保護者の方に、ぜひ知っておいていただきたい大切な観点をお伝えしたいと思います。

 

お子さんがなかなか勉強しない。

 

何事につけてもやる気が出ていない。

 

そんな状態で何年もやきもきしている、あるいはお子さんに対して腹を立ててしまっている。

 

そういう状況の保護者の方も多くいらっしゃることでしょう。

 

でも、本当にその子は「やる気のない子」なのでしょうか?

2. 子どもの成長意欲は本来とてつもなく強い

私は塾の先生をしていて、そういった生徒に出会った時、その子に対して「この子はやる気がない子なんだ」と見るのは事実をねじ曲げることだと感じています。

 

正確にその子のことを捉えてあげることができないのです。

 

やる気が出ない、勉強しない、何事に対しても無気力である。

 

そういう状態のお子さんを前にしたとき、私が思うのは「この子をこの状態に押し込めている原因はなんだろう」ということです。

 

私には一つの確信があります。

 

子どもたちの成長意欲というのはとてつもなく強いということです。

 

自分が成長できるチャンスがある環境にあると判断したなら、子どもたちは自分でやる気を出します。

 

つまり、それを発揮することのできない環境にいるということなのです。

3. 保護者が気づきにくい現代特有の原因

では、具体的にどのような原因が考えられるでしょうか。

 

学校でのいじめや先生との関係といった従来からある問題もありますが、実は現代特有の、保護者が気づきにくい原因が増えているのです。

 

<栄養不足による集中力の低下>

忙しい毎日の中で、朝食を抜いたり、コンビニ弁当やファストフードが多くなったりしていませんか?

 

鉄分不足やビタミンB群の不足は、集中力や記憶力に直接影響します。

 

「勉強しない」のではなく、「集中できない体の状態」になっているかもしれません。

 

<慢性的な睡眠不足>

スマホやゲームの普及で、子どもたちの就寝時間はどんどん遅くなっています。

 

中学生に必要な睡眠時間は8〜9時間ですが、実際はそれより2時間以上少ない子も珍しくありません。

 

睡眠不足は学習能力や意欲に深刻な影響を与えます。

 

<ゲーム依存による脳の報酬系の混乱>

ゲームは短時間で強い刺激と達成感を与えます。

 

これに慣れてしまうと、勉強のような地道な努力では満足感を得にくくなってしまうのです。

 

「ゲームはできるのに勉強はできない」という現象の背景には、このような脳の仕組みがあります。

4. 「その子は1ミリも悪くない」という視点

そして、この時に本当に心から大事だと思う観点があります。

 

それは「その子は1ミリも悪くない」という視点です。

 

努力しようと思っても努力できない状態にあるということなのです。

 

この観点からお子さんの話を聞くと、結構意外なことが見えてきます。

 

保護者の方自身に実は原因があるということもあり得ます。

 

忙しさのあまり、知らず知らずのうちにお子さんを追い込んでしまっているかもしれません。

 

大事なのは、本当に「子どもたちに悪いところはない。

 

やる気を発揮できない状況にあって、その子自身がすごく苦労している」という事実です。

 

そこから物事を見てあげないと、子どもたちはなかなかその状態を脱することができないと思っています。

 

5. 今日からできる具体的な改善アプローチ

私のところに来てくれた子たちは、そういうところを理解してあげて、環境を整えてあげると頑張る子が結構いるんですね。

 

偏差値30代から60代、70代へと駆け上がった子だって何人も見ています。

 

具体的にはまず、以下のことから始めてみてください。

 

<生活リズムの見直し>

朝食をしっかり摂る、就寝時間を30分早める、スマホやゲームの時間を決める。これだけでも大きな変化が期待できます。

 

<お子さんとの対話>

「なぜ勉強したくないの?」ではなく、「最近疲れてない?」「何か困っていることはない?」「よく眠れてる?」といった質問から始めてみるのです。

 

<小さな成功体験の積み重ね>

ゲームに慣れた脳には、勉強でも小さな達成感を味わえる工夫が必要です。10分間の集中、1問の正解、そんな小さなことから褒めてあげてください。

 

ぜひお子さんたちを「悪い子」ではなく「困っている子」として見てあげてください。

 

現代特有の環境が彼らを無気力な状態に押し込めているものは一体何であるか、そういう観点で物事を見てあげていただけたらと思います。


【この記事を書いた人】

宮脇慎也(保護者向け教育コーチ)

 

・20年以上の教育現場経験

・700組以上の親子面談実績  

・中学生の偏差値を平均7ポイント向上させた実績

・進学空間Move塾長として地域教育に貢献

・2030年までに1万組の親子の成長をサポートすることを目標

 

広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。2013年から広島市で学習塾を運営し、個別演習型指導で多くの生徒の学力向上を実現。近年はキャリア教育にも注力し、社会人講師を招いた講演会を多数主催。

 

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